「世界で一番、信者が多い宗教は キリスト教だっけ?それとも…?」
「イスラム教徒が増えていると聞くけど、実際、今どうなっているんだろう?」
私自身、海外のニュースに触れるたび、世界の宗教勢力図が気になっていました。
なんとなく知っているつもりでも、「最新」の正確な数字は 意外と知らないものです。
この記事は、そんな疑問を解消するための 「最新2025年の世界の宗教ランキング」ガイドです。
統計に基づき、現在の信者数TOP10を紹介します。
さらに、なぜその順位なのか、それぞれの種類(宗教)の特徴は何か、「キリスト教とイスラム教」 「ヒンドゥー教と仏教」は 何が違うのかを、具体的に比較します。
この記事を最後まで読めば、世界の「今」が数字と特徴で理解でき、国際ニュースの解像度が グッと上がるはずです。
▼この記事でわかること
- 最新の世界の宗教 信者数ランキングTOP10
- キリスト教・イスラム教・ヒンドゥー教の基本的な違い
- 仏教や「無宗教」の現在の立ち位置
- 今後、信者数が「急増」すると予測される宗教
- 世界の宗教の「種類数」はいくつあるか
目次
【最新】世界の宗教 信者数ランキングTOP10

皆さんは「世界の宗教」と聞いて、いくつの名前を思い浮かべますか? キリスト教、イスラム教、仏教…。
まずは、世界の人口(約80億人)のうち、どの宗教がどれくらいの割合を占めているのか、「信者数」の最新ランキングを見ていきましょう。
(※2024年〜2025年時点の推定値。Pew Research Centerなど複数の調査機関のデータを基に構成)
- キリスト教: 約24億人(世界人口の約31%)
- イスラム教: 約20億人(約25%)
- ヒンドゥー教: 約12億人(約15%)
- 無宗教(無神論・不可知論含む): 約11億〜12億人(約14%)
- 仏教: 約5億人(約6%)
- 民族宗教(土着信仰など): 約4億人
- シーク教: 約3,000万人
- ユダヤ教: 約1,500万人
(※9位、10位は道教、バハーイー教などが続きますが、統計により変動があります)
このランキングを見ると、キリスト教とイスラム教が 世界の二大勢力であることがわかります。 そして3位・4位には、ヒンドゥー教と「無宗教」層が ほぼ同数で並んでいます。
1位:キリスト教(約24億人)

言わずと知れた世界最大の宗教です。 イエス・キリストを救い主と信じ、『聖書』を教典とします。
ヨーロッパ、北米、南米、そしてアフリカの一部で広く信仰されています。 後述する「宗派」が非常に多いのも特徴です。
2位:イスラム教(約20億人)

イスラム教は「ムスリム」とも呼ばれ、唯一絶対の神「アッラー」を信仰します。
預言者ムハンマドに啓示された『コーラン』が教典です。 中東や北アフリカ、東南アジア(特にインドネシア)に 多くの信者がいます。
後ほど触れますが、世界で最も成長率が高い宗教としても知られます。
3位:ヒンドゥー教と無宗教(それぞれ約12億人)

3位グループは接戦です。 ヒンドゥー教は、インドやネパールを中心に信仰される多神教です。
特定の開祖がおらず、『ヴェーダ』などの聖典を持ち、輪廻転生(生まれ変わり)の概念が特徴です。
そして見逃せないのが「無宗教(Nones)」層。 特定の宗教を信仰しない、無神論者や不可知論者(神の存在はわからないとする人々) を指します。
日本や中国などの東アジア、そして欧米の若年層でも増加傾向にあります。
【種類別に比較】世界三大宗教「キリスト教・イスラム教・ヒンドゥー教」
ランキング上位の宗教は、何がどう違うのでしょうか。
信者数の多い「世界三大宗教」 (※ここでは便宜上、歴史的影響力からキリスト教・イスラム教・ヒンドゥー教(または仏教)を指します) を、種類別に比較してみます。
信仰の対象と教典の違い
- キリスト教:
- 対象:唯一神(父なる神、イエス・キリスト、聖霊)
- 教典:『聖書』(旧約聖書・新約聖書)
- イスラム教:
- 対象:唯一神(アッラー)
- 教典:『コーラン』
- ヒンドゥー教:
- 対象:多神教(ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァなど多様な神々)
- 教典:『ヴェーダ』『マハーバーラタ』など多数
キリスト教とイスラム教は、「唯一の神」を信じる点(一神教)で共通しています。 (ルーツを同じくする部分もあります) 対してヒンドゥー教は、非常に多くの神々を信仰する多神教である点が 大きな違いです。
主な分布地域と文化への影響
- キリスト教: ヨーロッパ、北米、南米、アフリカ南部
- (例)日曜の礼拝、クリスマス、イースター
- イスラム教: 中東、北アフリカ、東南アジア(インドネシア、パキスタンなど)
- (例)1日5回の礼拝、ラマダン(断食月)、ハラール(許されたもの)
- ヒンドゥー教: インド、ネパール
- (例)カースト制度(現在は法的に廃止)、ガンジス川での沐浴
それぞれの宗教は、信仰の枠を超えて その地域の法律や食文化、生活習慣そのものに深く根付いています。
知っておきたい主な「宗派」
同じ宗教でも、解釈の違いから 多くの「宗派」に分かれています。
- キリスト教の主な宗派:
- カトリック: 約13億人。ローマ教皇を頂点とする最大の宗派。
- プロテスタント: 約10億人。宗教改革により生まれた諸派の総称。(例:ルター派、聖公会など)
- 正教会(オーソドックス): 約2億人。東ヨーロッパやロシアで信仰される。
- イスラム教の主な宗派:
- スンニ派: 全体の約85〜90%。ムハンマドの言行(スンナ)を重視する多数派。
- シーア派: 全体の約10〜15%。イランやイラクの一部に多い。
ニュースで「宗派対立」という言葉を聞くときは、こうした内部の違いが背景にあることが多いです。
ランキング4位以下と日本の「仏教」

ランキングの4位以下にも、世界に大きな影響を与える宗教があります。
5位「仏教」の特徴と広がり
信者数では約5億人とされる仏教。 紀元前5世紀頃にインドで釈迦が開きました。 日本や中国、タイ、ミャンマーなど 東アジア・東南アジアに広く伝わっています。
仏教の目的は「苦しみからの解放(解脱)」です。 キリスト教やイスラム教と違い、「唯一絶対の神」を立てない点が大きな特徴です。 (仏は「悟りを開いた存在」とされます)
日本には6世紀頃に伝来し、神道と共存しながら独自の発展を遂げました。 (日本の仏教宗派については、別記事で詳しく解説しています)
民族宗教やその他の宗教(シーク教・ユダヤ教など)
6位の「民族宗教」は、アフリカやアジアの特定民族に伝わる 土着の信仰や精霊崇拝などを指します。
7位の「シーク教」はインド発祥、8位の「ユダヤ教」はキリスト教やイスラム教の ルーツとなった古い宗教です。
ユダヤ教は信者数こそ約1,500万人ですが、歴史的・政治的に非常に大きな影響力を持ちます。
データで見る宗教の未来予測【急増しているのは?】

このランキングは固定ではありません。 「最新」のデータは、未来を予測する手がかりも 与えてくれます。
イスラム教の急速な成長率
現在、世界で最も信者数が増加しているのが 「イスラム教」です。
Pew Research Centerの予測によれば、このままのペース(高い出生率と若年層の多さ)が続けば、2050年頃にはイスラム教徒の人口が キリスト教徒の人口に追いつき、逆転する可能性が高いとされています。 これは世界史的な大転換と言えるでしょう。
「無宗教」層の今後の動向
一方で、先進国を中心に 「無宗教」層も増加傾向にあります。 特にヨーロッパや北米では、若者の「キリスト教離れ」が進んでいるという 調査結果もあります。
ただし、無宗教層の増加率は、イスラム教の増加率には及びません。 世界全体で見れば、「宗教を信仰する人」の割合は 今後も増え続けると予測されています。
世界に宗教の「種類」はいくつある?
これまで「信者数」のランキングを見てきました。 では、そもそも世界に宗教の「種類」は いくつ存在するのでしょうか。
統計上の「種類数」は約4,000以上
これは非常に難しい問いです。 どこまでを「一つの宗教」と数えるかによります。 キリスト教のプロテスタントを 一つと数えるか、その中の「ルター派」「バプテスト派」などを 別々に数えるかで全く変わってしまいます。
一般的に、研究者や統計機関が「独立した宗教」として 分類・認識している数は、「約4,000〜4,300種類」あると言われています。 (これには小規模な土着信仰も含まれます) 私たちが知っている宗教は、その中のごく一部に過ぎないわけです。
まとめ:ランキング比較で見える世界の多様性

今回は「最新の世界の宗教ランキング」として、信者数TOP10と、それぞれの種類の特徴を比較しました。
1位キリスト教、2位イスラム教という二大勢力。 それに迫るヒンドゥー教と無宗教層。 そしてアジアに広がる仏教。
このランキングは、ただの数字の羅列ではありません。 世界の文化、政治、そして人々の価値観が どのように分布しているかを示す「地図」です。
この記事が、皆さんの国際理解や、多様な文化への関心を深める きっかけとなれば幸いです。


