仏とは簡単に、神との違い!お釈迦様は元人間、では日本の神は?

「仏様と神様との違いは何?」

「お寺と神社、どちらも神聖な場所だけど何が違うんだろう?」

そんな素朴な疑問が、心に浮かぶことがあります。

私自身、奈良の東大寺で大仏さまに手を合わせた後、
すぐ隣の春日大社を訪れた時、その空気感の違いに戸惑った経験がありました。

この記事では、その疑問にシンプルにお答えします。

仏とは簡単に言うと、「元人間のお釈迦様」がモデルです。

では、日本の神とは一体何なのでしょうか?

▼この記事でわかること

  • 「仏」の正体と、その目的
  • 「日本の神」のユニークな考え方
  • 仏と神の決定的な3つの違い
  • お寺と神社の見分け方と、それぞれの楽しみ方

 

仏とは簡単に、悟りを開いた「元人間」

仏とは簡単に、悟りを開いた「元人間」

まず、 「仏」についてです。仏とは「仏陀(ブッダ)」の略称。

その意味は、 「悟りを開いた者」となります。

モデルは「お釈迦様」 仏のモデルとなったのは、紀元前5世紀頃にインドに実在した人物ゴータマ・シッダールタです。

王子として生まれましたが、人生の苦しみと向き合い、修行の末に悟りを開きました。

そして、「お釈迦様」または「釈迦如来」と呼ばれる最初の仏になったのです。

仏の目的は「教え導くこと」 お釈迦様は、自らが悟った真理を人々に説いて回りました。

つまり仏とは人々を苦しみから解放するためその方法を教え導いてくれる、「偉大な先生」のような存在です。

私たちが仏を目指し、その教えを学ぶのが仏教です。

「日本の神」とは、自然や万物に宿る存在

「日本の神」とは、自然や万物に宿る存在

一方、日本の「神(かみ)」は、仏とは全く異なるルーツを持っています。

神道の考え方が基本です。

八百万の神々という考え方 日本の神様は、特定の一人だけではありません。

「八百万(やおよろず)の神々」という言葉がある通り、無数の神様が存在すると考えられています。

太陽を神格化した天照大御神(あまてらすおおみかみ)のように人格を持つ神様もいます。

同時に、山、川、岩、木といった自然そのものや時には台所のカマドにまで、神が宿ると考えられてきました。

これが日本古来のアニミズム(自然崇拝)です。

神の役割は「見守り、恵みをもたらすこと」 日本の神様は人間が修行してなるものではありません。

生まれながらの人知を超えた存在です。

その役割は人々の日々の暮らしを見守り、 豊作や安全といった恵みをもたらすこと。

私たちは神様に感謝を捧げ、 助けを祈願します。

【3つの違い】仏と神、ここが決定的に違う!

ここまでの話を3つのポイントで整理しましょう。

これさえ押さえれば、 もう混同することはありません。

違い①:ルーツ(元人間か、神か)

  • :元は人間。修行の末に悟りを開いた存在。
  • :自然物や、人知を超えた存在。人間ではない。

これが最も大きな違いです。

仏は「人間からなった」のに対し、 神は「初めから人間ではない」のです。

違い②:関係性(師か、祈りの対象か)

  • :教えを学び、手本とし、自らも悟りを目指す「師」。
  • :感謝し、畏敬の念を払い、助けを求める「祈りの対象」。

この関係性の違いは、 参拝する時の心持ちにも、 自然と表れてきます。

違い③:いる場所(お寺か、神社か)

  • :お寺(〇〇寺、〇〇院など)にいる。
  • :神社(〇〇神社、〇〇大社、〇〇神宮など)にいる。

これが一番分かりやすい見分け方です。

私が旅先で道に迷った時、 「お寺の屋根には鴟尾(しび)があって、 神社の入り口には鳥居がある」と教わりました。

建物の様式からして違うのです。 お寺には仏像や鐘があり、 神社には鳥居や注連縄(しめなわ)があります。

まとめ:仏とは簡単に、神との違い!お釈迦様は元人間、では日本の神は?

仏とは簡単に、神との違い!お釈迦様は元人間、では日本の神は?

仏と神の違いについていかがでしたでしょうか。

お釈迦様が元人間であったこと、そして日本の神が自然の中に宿る多様な存在であることを解説しました。

整理するとこの3点です。

  • ルーツ:人間だったか、そうでなかったか。
  • 関係性:学ぶべき師か、祈るべき対象か。
  • 場所:お寺か、神社か。

この違いを知るだけで、今まで何となく訪れていたお寺や神社が全く違う景色に見えてきます。

この知識を片手に日本全国の寺社仏閣を巡ってみてください。

きっとこれまで以上に面白く心豊かな旅になるはずです。